飯塚事件の再審(裁判のやり直し)を求める即時抗告審で、福岡高裁は2026年2月16日、請求を退ける決定を下しました。
1992年の事件発生から30年以上が経過した今もなお、この事件が世間の注目を集め続けるのはなぜでしょうか。
この記事では、飯塚事件の真相に迫るべく、再審が認められない理由や、多くの人が疑問を抱いているDNA鑑定の謎について分かりやすくまとめました。
飯塚事件の真相は?なぜ今も争われているのか
飯塚事件は、1992年に福岡県飯塚市で2人の女児が犠牲となった痛ましい事件です。
2008年には久間三千年(くまみちとし)元死刑囚の刑が執行されていますが、現在もご遺族や弁護団による再審請求が続けられています。
この事件の最大の特徴は、「犯人と直接結びつける確実な証拠」が乏しいと言われている点です。
- 現場周辺での「元死刑囚の車と似た車」の目撃証言
- 車内に残された被害者と同じ血液型の血痕
- 繊維の付着状況の一致
- 当時のDNA型鑑定の結果
- 事件当日のアリバイがないこと
しかし、これらの証拠の多くに「後から矛盾が見つかった」として、真相を究明すべきだという声が根強く残っています。
福岡高裁が再審を認めなかった具体的な理由
2026年2月16日の決定で、福岡高裁はなぜ「裁判のやり直し」を認めなかったのでしょうか。
今回の焦点は、弁護側が提出した「新たな目撃証言」の信用性でした。
- 目撃女性の証言変遷:当初「事件当日に被害女児を見た」としていた女性が、「警察に誘導された。本当は別の日だった」と証言を翻しましたが、高裁は「当初の証言が正しい」と判断しました。
- 別の目撃証言:元死刑囚の車(紺色)とは異なる「白い車」の男を見たという証言も、具体的根拠に乏しいとして退けられました。
溝国裁判長は、地裁の判断に誤りはないとし、新証拠だけでは「確定判決を覆すほどの力はない」と結論付けました。弁護側はこの判断に対し、「真実の究明に背を向けている」と強く批判しています。
飯塚事件で最大の謎とされるDNA鑑定と矛盾点
飯塚事件を語る上で避けて通れないのが、DNA型鑑定の不確かさです。
事件当時は鑑定技術が未発達だったこともあり、第1次再審請求の段階で、すでに当時の鑑定結果をそのまま有罪の根拠とすることには疑問が呈されていました。
- 目撃された車の特徴:目撃証言では「後輪がダブルタイヤの車」とされていましたが、元死刑囚の車はシングルタイヤでした。
- 証拠の採取状況:血液反応など、客観的証拠の採取プロセスに不自然な点があるのではないかという主張です。
これらの点について、弁護側は「一つひとつの証拠は脆(もろ)く、無罪を言い渡すべき新証拠にあたる」と訴え続けています。
飯塚事件の現在は?今後の展開について
今回の福岡高裁の決定を受け、飯塚事件は再び最高裁での特別抗告へと進むことが予想されます。
刑が執行された後に再審が認められる「死刑執行後の再審開始」は、過去に例がほとんどない極めて高い壁です。
しかし、足利事件のように後年のDNA再鑑定で無罪が証明されたケースもあり、科学の進歩とともに「隠された真実」が出てくる可能性を信じる人は少なくありません。
今回の棄却決定により、再審への道はさらに険しいものとなりましたが、弁護団は「最後まで諦めない」としています。
今後の司法がどのようにこの事件と向き合うのか、引き続き注目が集まっています。
まとめ
飯塚事件の真相をめぐる2026年の再審請求棄却についてご紹介しました。
- 福岡高裁は新証拠の信用性を否定し、地裁の決定を支持しました。
- DNA鑑定の不透明さや目撃証言の矛盾など、今も多くの疑問が残されています。
- 現在は刑が執行された後も、真相を求める活動が続けられています。
事件の真相が完全に解明され、すべての関係者が納得できる日が来ることを願わずにはいられません。

